「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2020 栃木(初日・前半)

秋も深まったある日、東北道の上河内SAで小休憩。

丁度ひとっ走りした辺りなんでよく使います、ココとか矢板とか。
最近、急に有名になりましたねぇ~。
そのままさらに北上して到着したのは・・・・・・
・・・・・・那須と甲子温泉の中間附近。

以前から何度かトライしてたにも拘らず、人がウジャウジャいたりとかで断念してた「白河高原スキー場跡」。
どぉしてみなさんこぉも荒らしまくるんでしょうねぇ・・・・・・。
かつてはココからメインバーンに出れたみたいです。
如何にも80年代に作られたスキー場の雰囲気があります。
ソールのグラフィックが可愛いレンタルボード。

"RIODELL"ってブランドは知らんかったです。
それなりに賑わった時代もあったんでしょうねぇ~。
調べてみると元々は「赤面山スキー場」って名前だったのを、バブル崩壊後何年も経ってから、色々リニューアルして再出発したものの、あえなく数年で廃業したようです。
往時はリフト5本、コース長もそこそこあってそれなりの規模でした。
気合入れてオリジナルグッズも多数作ったみたいです。
しかし、実のところスノボ人気の高まりによる揺り戻しはあったものの、80年代初期の異常なまでのスキー人気が戻って来るハズもありませんでした。
それに大体ココ、方角とか地形がイマイチで、雪がそもそもそんなに積もらないんですよ。

スキー場に雪積もらんかったら、そらあきまへんわな。
デタッチャブルでフード付きのクワッドとか、自己の実力を省みない投資もちょと派手過ぎたのではないかと・・・・・・。
ゴロタ石の転がるゲレンデ跡。
こっちは二基並んだペアリフト。

今は深いクマザサに覆われています。
そうしてユックリと元の自然の姿に還ろうとしています・・・・・・いや、還そうとしています。
1階から登る階段が塞がれてたんでどぉしよ?って思ってたら、すんなりゲレンデ脇から入れました。

破れた天井から降り注ぐ光に浮かび上がる巨大な空間には廃墟美を感じます。
この辺はまぁ、みんなブーツをガッシャンガッシャン鳴らしてメシ食いに来てたんでしょうね。
カウンターの跡。
ゲレ食ってしかし、高くて不味いモンの代表格でしょうねぇ・・・・・・。
これにはビックリしました。何だと思います?
何と、束になったまま風化して崩壊したプラスチックのフォーク!

適度に光が当たるせいか、好い感じに苔も密生。
油断してると屋根や天井のパネルが落ちてくる危険性があるんで、慎重に歩いてます。
実際のスキー場としては最後までB級だったみたいですけど、廃墟としてはナカナカA級な物件でした(笑)。
ここから那須方面に投稿戦に沿うようにして行きます。

昔はたしか有料道路だったような気が・・・・・・。
好い感じのくすみ方ですね。
何となく現役で生き残るマウント・ジーンズにも立ち寄ってみることに。
紅葉もほぼ終わりかけちゃって、冬枯れの風景となりつつあります。
とにかくしかしもぉ、メチャクチャ寒い。
マジで昼寝したら、イッパツで風邪引きそう(笑)。
そうなんですよ。

今回は季節にはちと早い寒波が前日まで来てまして・・・・・・。
流石に撮影敢行も厳しい状態で・・・・・・。
特にこれといって見るべきものもなく、そのまま下ります。
言っちゃ何ですが、こんなしょうもないのに意外に次々お客さんは来てました。

スキー場はヤッパシ八ッ橋、冬に来るのが宜しいかと。
ちなみにこのスキー場、東急系の資本なんで存続してますけど、近くのハンターマウンテンに較べるて集客には苦労してる気がしてます。

昔はよくココの割引券とかステッカー、スポーツ屋で配ってましたもん。
そいでもって再び廃墟。

いや、今回はほぼ廃墟ばっかしなんです・・・・・・しっかし、こんなに冷え込むとは!
場所は八幡温泉近く・・・・・・って、八幡温泉自体も消滅しちゃってんですけどね。
カレンダーは1995年の3月で止まっています。

廃墟探索に於いて、壁に貼られたカレンダーってケッコー重要かも。
何かメチャクチャに家財道具が詰め込まれてます。

荒らされたっちゅうよりは、最初からこんな感じだったのが床が抜けて引っくり返ったんでしょう。
浴室の跡。
せめてあと3~4℃気温が高けりゃなぁ~・・・・・・ブチブチ。
2階に上がってみました。

建物全体がいささかヤバい状況で、かなり恐る恐るです。
ヨメは階段近くで待機。

いやマジ、ヘタすりゃ2階全体が一気に崩落する可能性だってありますし。
しかしこの物件、平成まで残ってた旅館っちゅうには少しチープすぎるような。
ナゾはこのビール。製造日が2011年になってました。

たしかに廃墟に浮浪者が住み着くことはままあるんですが、金ない彼等が本物のビールを買うっちゅうのはちょっとピンと来ません。実際はもうちょっと最近まで使われてたのかも。
隣接する巨大物件からするに、こちらは元は旅館だったのを社員寮に転用してた気がします。
元々はこの小さい旅館だけで堅実にやってたんでしょう。
そして隣の巨大物件の方に。

フツーにスッと入れました。
!?このナナメった天井の意匠、何か見覚えあるなぁ~・・・・・・。
あ~っ!ココ、会社の社員旅行で泊まったコトあるわ!

かつて泊まったコトある旅館廃墟に入るのは初めての体験かも。
縁起物の大黒も効き目はなかったようですね。
ただ、こちらは廃墟と呼ぶには微妙。

キッチリ各部屋は施錠されてるし、ロビーの隅には放置されたままでホコリ被ってるとは申せ、建材やら猫車、庭ボウキなんかが置かれてましたし。
復活させる気がなくはないのかも。
なんかただのホテルの廊下で撮ったスナップにしか見えません。
やはり廃墟には「発酵・熟成」が必要だと強く思った次第です。

那須・八幡温泉「一望閣」・・・・・・実態はまぁ「絶望閣」でした。
さらに南下してロープウェイ乗り場附近に到着。
ゾッとするほどに寂れまくった風景が広がってます。

震災の前年に来た時はどこも営業してたような記憶があるんですが・・・・・・。
荒らされまくりの「湯泉望(大丸観光センター)」に入ってみることにします。

「とうせんぼう」って、まさか経営そのものがそんな状態に陥るとは、名付けた時はきっと思ってなかったんでしょう。
表通りに面して人目に付きやすいのが幸いしたか、意外に奥の方は綺麗な状態を保ってます。
ウワァ~ッ!

剥製ってキモい。
どれだけ神棚祀って信心しようが、ツブれる時はツブれる、ってこってすね。
・・・・・・ってか、ここもおれ、昔に来たよ!

「蕎麦打ち体験」とかゆうて自分で作って、ブチブチになってクッソ不味いんを食いましたわ!
結局、6~7軒並ぶ店の中で今も営業してるのは1軒だけ。

惨憺たる有様です。
やはり東日本大震災の影響が大きかったんでしょうねぇ~・・・・・・。

あとは高速道路の整備かな?今や東京近辺どこからでも日帰り圏内になっちゃいましたもんね。
これだけ一軒、ポツンと離れて駐車場の隅っこにある「那須バーデンハウス」跡。

名前は大層ですけど、要するに土産物屋兼食堂に日帰り温泉施設がくっ付いただけ。
斜面に沿って、建物の大きさからするとエラく高低差のある立体的な構造になってます。
この辺が食堂部分だった模様。

何か狭いトコにあれこれ詰め込め過ぎてて、全体がチマチマしちゃってますね。
廃墟系のサイトでよく見る、鉄骨だけのドンガラになった大浴場は一番下の別棟。通気性は抜群(笑)。

一応ココは温水プールだったみたい。
外には申し訳程度の広さの露天風呂もあります。
2階が本来の風呂だったようで、あとは水着で自由に行けまっせ、と。
でもねぇ、最近のちょっとしたスーパー銭湯でもココよりはまだちったぁ広い、って。
こんな狭くて何もないトコで、どこをどぉしたら「リゾート気分でスパをエンジョイ♪」できるのか!?教えてほしいモンです。
こうしたデザインセンスのリゾート地のロゴって、バブル期にめっちゃ流行りましたよね。
春には飾ってたんでしょうか?

廃墟で見る雛人形ってかなり怖いモノの一つ。
温泉街に下りながら、さらにも一つ!「那須ホテル」跡。

ちなみにこの手前には「五岳荘」って国民宿舎の廃墟があるんですが、そこまでの道が分からずパス。地図だと建物はハッキリ残ってんですけどね。
那須といやぁ与一、与一といやぁ扇、ってなワケで扇形の控え目なロゴが可愛い。

このホテル、抜群の景色でそれなりに堅調な経営だったみたいなんですが、ある日突然の連鎖倒産で親会社と運命を共にしたそうです。
ここのロビーの巨大な窓のショットも、廃墟系サイトでよく見かけます。
素晴らしくアブストラクトな美しさを見せる階段。

この物件、アホなヤンキーが不審火騒ぎを起こしたことがあるみたいで、内装の可燃性の内張類が全て剥がされており、それが独特の景観を生んでいます。
徹底的に残留物が除去され、ちょっと未成物件っぽさもあります。
風呂、小っちゃぁ~!
それほど大きくない建物ですが、石積みの壁とか細部に拘って金掛けて作ってある印象。
たとえ廃墟になっても安普請って、ホンマに安っぽいんですよ。

プラスタボードと合板と断熱のグラスウールで誤魔化してるだけとか、一目で分かりますもん。
いや~、ココはマジ撮りたかったなぁ~!スゴいスタイリッシュでクールな感じがあります。
今は亡き廃墟+ヌードサイトの”TwoDogs”さんトコみたいなのが撮れたかも。
まぁ、その内また機会があるでしょう。

待てば海路の日和あり、と。
強いてココの欠点を上げるならば、あまりに残留物が無さ過ぎて、元が何だったのか分かりにくいトコ。
あ、こりゃ分かります。大浴場です(笑)。

さっき見たのはどうやら家族湯でした。
この辺はワリとフツーに廃墟っぽい雰囲気があります。
こうしたショットで、補助光無しで外をトバさず中を明るく撮るにはどぉすりゃエエんやろ?っていつも考えます。

HDRでしょうかねぇ?やっぱ。
ホテル系の廃墟の欠点は、構図的に同じようなのになっちゃうことでしょうか。
だからって奇を衒って、あまりグニュグニュと広角でアオッてもワンパターンだし・・・・・・だからってアップでトルソーも好きぢゃないし・・・・・・。

ハハ、抽斗が少ないのがバレバレっすね(笑)。
敷地内では今も温泉がどこかで湧いてるらしく、周囲には強い硫黄臭が漂っていました。
それにしても僅か数kmの範囲で、半日でこれだけ廃墟を回れてしまうとは・・・・・・那須を陰鬱に覆うどうしようもない終末感は、かなり根が深いように思いました。

後半は今夜の宿を中心にまとめます。
----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
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