「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2020 房総Ⅰ(前半)

春まだ浅い寒い、どころかまだ冬な曇り日の陰気な朝、MFTのテストを兼ねてやって来たのは・・・・・・
鴨川市の南の外れにある「西院の河原地蔵尊」です。

海沿いの崖の縁に横に細長くて奥行きのない覆堂が建ってます。鉄筋コンクリート造りでかなり頑丈そう。
内部には奉納された大量の人形や玩具の類。
また、年寄りが集まる場所でもあるのか、丸椅子や茶器の類がキチンと整頓されて揃っています。
地蔵和讃ですな。

みんなで御詠歌を歌う風習が残ってんでしょうね。まぁ、日本のゴスペルみたいなモンです。
ココの存在は昔、「珍寺大道場」で知って以来、ズーッと気になってた場所でした。
並ぶ額縁はすべて、夭折した人たちの遺影。イェ~ィ!

関東地方では極めて珍しいタイプの霊場です。この冷ややかで重たい空気感は岩舟の高勝寺よりディープかも。
外に出ると何だかホッとしました。

それにしてもズイコー12-100mm/F4、世評に違わずスゴいレンズかも。
近くにある道の駅にクルマを停めてちょっと歩くことにします。

それにしてもバブリーで贅沢な造りですねぇ。
建物の周りは人工磯になってます。
それにしても寒い。

房総は暖かいって言いますけど、海っぺりはやっぱ風が冷たい。
レンズそのものなのか、あるいはそれに合わせた電子的な歪み補正が自動的に行われるのか、殆ど歪みのない絵が撮れてます。
ちなみにちょっと暗めな画像が多いのはEVを低目にしてるため。

カメラの特性が体得できてないうちは低目が吉ではないかと・・・・・・。
この一枚、元のサイズで見ると驚くほどに解像してます。
長い砂浜と切り立った急峻な崖の多い房総にしては珍しく、この辺は一帯が広い磯になっています。
そんなゴロゴロした岩場の向こう、波打ち際に建物が見えて来ました。
廃墟と化した生簀の跡です。外房の沿岸にはかつて掘られた生簀跡がビッシリ残っていますが、建物まで残ってるのは少ない。

それはともかく、ある意味ココは「聖地」っちゅうヤツかも(笑)。
明らかにここのロケーションで撮影された画像は、投稿掲示板等で相当数見付かります。
え!?オマエ等は?って?(笑)
・・・・・・今回はパス。

だっても明後日ももぉ、とにかく寒くて寒くて。
しかし思えばまだこの時点では、それほどコロナ騒ぎも深刻にはなってなかったですね。

・・・・・・あ!ちょっと晴れて来ました。
もちょっと暖かくなったらまたチャンスもあるかな?ってこの時は軽く思ってました。

まさかこの後、集団ヒステリーのような外出自粛がやってこようとは。
それにレンズがまだ1本しかないと、何かテンションが上がらないんっすよ。・・・・・・いや、たとえレンズ増やしたってカバー範囲の広いこれしか殆ど使わないだろう、って分かっちゃいるんですけどね。
そのままずーっと海岸線を南下して、やって来たのは千倉のちょっと南。
平舘天神社という小さな神社です。
何とココ、こっち方面では数少ない磐座があるんですよ。
手作り感溢れる説明看板。
恐らくこの盛り上がった岩自身が御神体ではないかと思われます。
「田の上天神の磐座」、だそうです。
それに続くこちらの岩もまた磐座のようで・・・・・・
石祠がが祀られ「馬の背」って名前が付いてます。

賽銭箱が何とも言えない形してますね。
身長160cmそこそこのヨメでもギリギリの小さな鳥居。
この神社周辺にはいくつかの巨石も点在してます。

これは「カエル岩」・・・・・・たしかに言われてみればそんな感じ。蹲った蝦蟇に見えます。
さらに低い山裾に向かって行くと・・・・・・
木の柵があって・・・・・・
「弘法の井戸」。

ケッコー深そう。
そのすぐ近くに聳えるのが「礫石」。
高圧鉄塔の横にあるのがちょと味気ない。
さらに少し離れて「神楽石」。

「カエル岩」と良く似てますね。
神楽を舞ってもらって撮影敢行したかったんですけど、意外に農作業中の老人とか、人が多かったりして。
・・・・・・しかしこれらの石、どうしてここにあるんだろ?って考えると少し怖くなりました。

ひょっとしたら津波石の類かも知れません。
何だか良く分からない作物が植えられてます。
「4:3のアスペクト比は広角感に乏しい」って言われるのがちょっと分かって来ました。

・・・・・・いやまぁ、ホンの僅かの差なんですけどね。
さらに南下して野島崎を回り込んで、続いては「御染弁財天」。

・・・・・・小っちゃぁ~!(笑)。

実はこの前に南房総白浜温泉「林景荘」に寄ったんですが、ゾッとするくらい跡形も無くなっちゃってました。
如何にも房総ゴリゴリ系ですね。
そのすぐ近くの「駒ケ崎神社」。

「房総最古の安房座大神宮」と言われてますけど、これまたメッチャ小さい。
昨年の台風15号で屋根が半分吹き飛ばされたみたいです。

この一帯は甚大な被害を受けており、ドカシーで応急処置してる建物ばっかしです。
拝殿の裏手が小さな海蝕洞になっており、これがどうやら御神体。

入ってみるにはちょと狭すぎましたが。
海岸線を北上し、続いてのスポットに到着。

これまた「弁天神社」。やはりかつては海女さんが多かった影響でか、弁天さんを祀るトコは結構多いですね。
何と、「館山ファミリーパーク」って観光花園の、広い駐車場の脇から入ります。

まったく看板等はありません。
いや、これはナカナカだと思いますよ。

意外なめっけもん、ってカンジです。
房総ゴリゴリ系と巨石系の中間、ってな佇まい。
内部は結構な広さがありました。昔は講みたいなんが開かれてたのかも知れません。

最低限の手入れはされてますが、やや荒れており、今はもうあんまし参る人はいないんでしょうね。
如何にも房総な摩耗して、溶けたような石段。

陽当たりが良いせいか、苔は生えてません。
これが苔生えてるとムチャクチャに滑りやすいんだわ。

それにしてもまぁ次々とマイナーなトコばかり回ってるなぁ、おれたちも(笑)。

後半も引き続きマイナーなトコばかり行きます。
----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
Copyright(C) REWSPROV All Rights Reserved