「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2019 会津(初日・後半)

続いてやって来たのは芦ノ牧温泉街の端っこにあるこちら・・・・・・。
超有名物件なんでご存知の方も多いと思われますが、「ホテル竹泉(いづみや)」跡です。

看板をよく見ると「いづみや」ってなってますね。
そりゃまぁ全部空室でしょうねぇ・・・・・・(笑)。
炬燵、って元々がシュールな家具なんですが、それが無秩序に積み上がるとよりシュールな気がするのは私だけでしょうか?
様々な什器・備品類は、荒らされながらもほぼそのままに残っています。
取り敢えずは最上階まで上がってみることにします。

流儀は人それぞれでしょうが、先客対策も兼ねて、私はまず一番上まで、途中アングル的によさげなポイントを考えつつ上がることにしてます。
やっぱし破れ障子、ってあばら家のアイコンだな、って思いますね。
ちなみにココ、温泉街にフツーにあります。

すぐ隣の旅館は盛業中。
宴会場入口に立てる看板だったと思われます。

何となくしかし、見てると全体の作りがイマイチ安っぽい印象。
厨房の跡。

旅館の大きさからするとかなり狭いのが不思議。
小上がりのついたスナックコーナー。
館内には大浴場らしきものが見当たらず、恐らくは建物裏から別棟の浴室等に向かうような構造になってたのではないかと思います。
恐らくは比較的低予算・少人数の団体客向け施設だったんでしょう。

客室も宴会場もも一つパッとしない印象です。
廃墟になったのは2000年代初頭らしく、はや15年以上が経って、物件としてはまずまず好いカンジに熟成しつつあるんぢゃないでしょうか。
どうやら露天風呂には金を掛けてたみたいですね。

現役時代を見てみたかった。
そんなこんなで竹泉、いささか安っぽさがそこかしこに残るものの、まずまずと云ったトコではないでしょうか。

こうして見ると2階建てですが、奥の方が6階建てくらいになってます。
そしていきなり風呂。

今夜の宿泊地である湯野上温泉に到着。
特にこれと言って特徴のない男女別の内湯にまずは入ることにします。
出入り口の曇りガラスや、ガラス煉瓦、紫色のパネル等、60年代末期から70年代初頭のテイストがあります。

実はガラス煉瓦とかガラスブロックって好きな建築素材。
更衣室はいたって平凡。

いや、実はいくつか候補スポットを端折ったんで早く着き過ぎちゃいました。
ハダカで鏡台前で髪を乾かすのはいつものこと。
そのまま窓辺でちょっと撮影。
ちなみに窓の真下を会津鉄道(旧・会津線)の線路が通ってます。

さっきの浴室なんぞ、線路の真横だったりする(笑)。
芦ノ牧は他にもまだ候補があったんですが、ちょっと場所的に危険だったのでパスしました。

あと、驚異の三階建て懸崖造りの左下観音も再訪しとけば良かったかな?
・・・・・・そ、そんなノソッと突っ立ったままでは写真になりまへんがな(笑)。
・・・・・・って、時間をツブしてたのはこれのため。

ココの混浴の露天風呂は女性専用タイムがあるんですわ。
使ってない浴槽があるのがいささか味気ない。
あ、入って来ました。
何だかんだで使ってないのも含めると、全部で5~6ヶ所の浴槽があります。
湯舟の名の通り、舟の形の小さな浴槽もあります。
これがもぉムチャクチャに熱湯!マジで死ぬほど熱い。

ダチョウ倶楽部でもこれはムリでしょう。
そんなんでフツーのトコから入ってみます。
ワタシの作った旅館の法則に「宗教入ったモノを置き始めるとそろそろヤバい」っちゅうのがあるんですが・・・・・・。
ちなみにヨメの立ってる後ろあたりに、以前は大きな木の水車があったみたいです。
ココのお湯は丁度な適温。
そうそう、ここもすぐ横は線路です・・・・・・まぁ、滅多に走ってませんけど。

つまり線路沿いに横に細長く伸びた旅館、ってことですね。
全体的にシッカリとした造作なんですが、資金が不足してるのか手入れが不足してるのか、やや荒れて来てるのがいささか残念。
露天風呂を減らすだけでは芸がないんで、空いたスペースで足つぼマッサージが出来るようにしたワケッすね。
でもそんなチープなアイデアよりは、フツーに風呂として入れるようにしといた方が良いと思われ・・・・・・。
結構刺激になるみたいではありますが(笑)。
足が砂利まみれになってしまいました。

いや、やっぱし風呂として入れた方が良いって。
たしかに何ヶ所にも分かれた浴槽って、掃除やメンテが大変なのはよぉ~く分かるんですけどね。
これが一番広い浴槽。

これだけの広さと浴槽の数で混浴はそれなりに貴重ですし、それに今や湯野上で混浴は多分ココしかないんだし、ちょと勿体ない。
・・・・・・とは申せ宣伝したらしたで、色々と別の問題が生じたりするんでしょうけどね。

そろそろ上がります。
そうだ!旅館の名前をまだ言ってませんでした。

「清水屋旅館」です。
何と形容して良いのか、独特のセンスの炸裂する娯楽室。
窓の外のジャパネスクな景観と見事なまでに全く合ってないのがスゴい。
チグハグかつ中途半端なこの感じは逆にむつかしいかも(笑)。
頭の中は「?」だらけなまま部屋に戻ります。
フロント周辺はいかにも山峡の温泉宿な雰囲気・・・・・・
・・・・・・なんですが、少し離れてアンティークと民芸品コーナー。

ところどころ値札の貼られたモノがあるのがユニーク。
唐突にアジアンテイストなゾウの木彫りがあったり、全体としては純和風旅館なトコに、独特のセンスが割って入ってくる感じが面白い。
統一感がないようであるようで、計算してるようで思い付くままのようで、何とも不思議な感じです。
そうこうしてる内に夕食の時間になりました。
イワナの塩焼き。
ワラビのお浸し。
ナメコおろし。
ひろうすの煮物は具沢山。
黒豆のみぞれ和え。
ブタの陶板焼き。
ま、取り敢えずはビールで乾杯・・・・・・っちゅうても既に部屋で1本空けてたりして。
茶碗蒸し。
イワナの刺身。

養殖物でしょうけど、かなりこれは美味かったです。
漬物。
味噌汁。
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ほいでもってご飯・・・・・・ん!?揚げ物がなかったな。
妙に凝った刺繍の入った緞帳。

何かこぉ、力の掛けどころが面白い。
泊ってるの、我々だけでした。

撮影敢行しても良かったかも(笑)。
ともあれ完食。

料理はオーソドックスでいながら会津らしい品々で愉しめました。
最近のパターンでかなり酔っぱらって部屋に戻って・・・・・・
ウダウダしてるうちに寝てしまいました。

明日はそのまま会津鉄道、野岩鉄道沿いに南下して栃木に抜ける予定です。
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