「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2011 信州(二日目・午前)

・・・・・・起きると、雨。

なんぼ梅雨時とはいえ雨はやっぱイヤっすね〜。
何はともあれ昨日入り残した3番目の風呂である「檜風呂」へ。
起き抜けなので動きがイマイチ遅かったりして(笑)。
一見殺風景な脱衣場に見えますが、一輪挿しが飾ってあったりして気を遣ってるのが分かります。
うわ〜!メチャクチャ湯気凄いやんか!

よって浴室内はこの一枚だけ。カメラ壊れる、っちゅうねん。
浴室前の中庭を望む。

画面左に直列で3部屋が並んでます。
朝食までの時間、館内をブラブラ。

こぉゆう明り取りの窓や・・・・・・
欄干の波に千鳥の透かし彫り・・・・・・
妙に洋風な廊下の欄間・・・・・・
玄関の三和土や・・・・・・
浴室前の素朴な埋め込みタイルの意匠等、明治の職人のあるモンで何とかしよう!っちゅう自由闊達なセンスを感じます。

特にこの切り株とタイルの組み合わせは、素材のミクスチャーとワケの分からなさがほとんどモダンアートに近いかも。
そいでもって朝食。

右上から反時計回りで那須田楽、ぜんまいの煮物、塩鮭、温泉玉子、ジャコおろし、漬物、ヨーグルト、海苔、で真ん中は笹蒲鉾と山葵漬け。
なんかもぉ途中は省略でいきなり完食!
部屋に戻って出発の準備。

違い棚状の桟のデザインが上と下で違うのも芸が細かい。
ボーッと歯磨きかい!?(笑)
障子の向こうは明り取りと同じ意匠の竹を組み合わせた飾り。

ホント、これだけ凝った古風な部屋に泊まれて1泊2食8,000円からとは安過ぎると思います。
結局、共同浴場には入らなったなぁ・・・・・・ま、男女別だし(笑)。
渋・湯田中のイメージからは良い意味で裏切られた角間温泉。

定宿にする人が多いのも頷けます。
さて、温泉街から数キロ、山際の崩壊寸前のバス停までやって来ました。
今回の懸崖シリーズ第4弾、「箱山稲荷」です。
かなり荒れて雑草の生い茂る急な石段の上に、見えました。
こじんまりしてるけど、いい感じっすね〜!
通路部分と屋根はわりと最近新調された模様です。
これでもちょっと天気が良ければなぁ〜・・・・・・。
これだもんな〜・・・・・・。
撮影のロケーションとしては良かったんです。
ともあれ、お堂がポツンと一つあるだけなので下ることにします。
真下から見上げる。

高さにして2間少々、ってトコでしょうか、それほど高さはありません。
他にも候補は挙げてたんですが、それはまた次回のお楽しみにしましょう。
コケたら下まで転がって行きそう。
何となくここは極めて小規模の行場だったんでは?って思いました。

・・・・・・あくまで直感ですけど。
って、岩に巨大ナメクジ発見!

これ撮るときに「望遠マイクロがあったらなぁ〜」と思った私は、すでに立派なヲタク・・・・・・もとい、ちょっとアホなのかも知れません(笑)。
湯田中より南下してやって来たのは、信州の超有名温泉地である別所温泉。

10年ほど前に一人で来て以来です。
どうも曇天はやはり「残念な写真」になっちゃいますね。
古くからの温泉地で良く見かける、モルタル造りの古いタクシー車庫。

いつか鉄道模型レイアウト作ったらコピーしてみたいです。
かつては小料理屋だったような佇まいの2階建て。

ただ、この別所温泉も古い温泉地の例に漏れず、中心部以外は櫛比していたであろう建物が歯抜けのようになっているのがちょっと物悲しい。
それでも、温泉だけでなく有名なお寺を徒歩圏内に抱えているここは善戦してる方と申せましょう。
そんなんでまずは北向観音。

布引同様、古くから善光寺との繋がりの強い寺と言われます。
共同浴場の「大師湯」が遠くに見えます。
参道両側は土産物屋がギッシリ。

やっぱ観光地はこうでなくっちゃ。
しかし、天気のせいもあるのでしょうけど、観光客はまばらです。

どうやら温泉街はるか手前の日帰りスパが集客しちゃってる印象。
妙に重々しい屋根が特徴の本堂が見えました。
左のオバハン、メチャクチャ図々しかった。

フツー誰かが写真撮ってたら、一呼吸は遠慮するモンなんですが。
ここにもお寺のマストアイテム、びんずる様。

悪いところを撫でると、そこが治る・・・・・・アタマかい!?
観音堂には、このタイプの長い赤提灯を良く見かける気がします。
見上げるような巨木の「愛染かつら」。

標準のキットレンズでもなるだけ近付いてあおって撮るとかなり「大きさ感」が強調できます。
さてさて、ここに来たのは他でもない・・・・・・
・・・・・・懸崖造り第5弾があるからです。
本堂西側に建つ、真ん中部分が前にせり出した特異な形の薬師堂。
ちょっと柱が華奢で少ない印象。高さは6〜7mくらいでしょうか。

立入禁止でお堂に上がれないのが残念。
何でこんなに急に懸崖造りにハマったのかは、自分でも説明できなかったりします。
裏山にも何かありそうですが、雨で足許が悪いので登るのは止めました。
由来書きの看板。

善光寺詣でとバンドル販売されてた歴史が分かりました(笑)。
実はここは今はこれから向かう常楽寺の管理下に入ってるそうです。
いかにもな温泉饅頭屋で土産購入。
何の花か、紫が美しかったので一枚。
温泉街を離れて山の方に向かって行きます。
なんか時代劇のセットのように出来過ぎた感じ。
信州の路傍には必ずある道祖神。

このように字だけ書いてるタイプもあるんですね。
そうこうするうちに常楽寺到着。

このお寺は初訪問。
藁葺き屋根なのであまりお寺っぽくありません。
見事な枝ぶりの「御船の松」。
本堂の裏に重要文化財がどぉたら、って書いてあるので向かってみることに。

素朴な青面金剛・・・・・・庚申さんです。
1本だけ残った紅葉で透過光を試したかったんですが、この空模様ではあきまへん。
雨に濡れた石段を上がってくと・・・・・・・
幾条もの雨の流れた跡が文様を描く広場の奥に・・・・・・
石造多宝塔ってのがありました。

その貴重さは良く分かりませんでしたが、苔蒸した色合いがものすごく美しかったです。
ここで前ボケの練習。

こぉゆう写真は明るい単焦点がやっぱ欲しい。
もっかい透過光を試しましたが・・・・・・これがもう、どぉにもこぉにも。
相変わらず天気はパッとしません。

「曇り空はなるだけ入れないように撮りましょう」ってな教則本の記述を想い出しましたが、それでどないして全景撮れっちゅうねん!?と。
続いて到着したのは安楽寺。

ここは再訪です。
しっかし、10年も経つとどんなアプローチだったかすっかり忘れてたりして(笑)。
あ!自分が写り込んでしまった!
本堂内陣は中華街の孔子廟みたいに派手。
さっきと同じように本堂の裏山を登って行きます。
小雨に煙る森の向こうに見えました。
国宝の八角三重塔です。
何だか傘の開いた椎茸を重ねたみたい。

しっかしどう見ても四重でしょ!?これ。
裏から見るとますます椎茸(笑)。

一番下は屋根ではなく裳階(もこし)っちゅう解釈らしいですが・・・・・・エラい学者の言うことは理解できませんね。
まぁ、ここは別所温泉に行ったら外せないポイントなんでしょうが、期待して行くとかなり小さくてコケます。
これくらいから見上げた方が絵になりますね。
全体的にチャイニーズテイストなんだよな〜、ここ。
今回のボケ写真ではこれがベストかな?

標準の暗い18−55でも上手く成功するとこれくらい行けるんですね〜。
寺の鐘が鳴っています。
いつの間にか結構長居してしまいました。

そろそろ次に向かうことにします。
ここで再び唐突にボケ練習。

ここまで接写で近付くと強力にボケますねぇ・・・・・・ただ、実は練習だからやってるだけで、ホントはパンフォーカスな写真の方が好きだったりして。
別所温泉、いつかは泊まりでユックリしたい温泉地です。

ちなみにココ、新婚さんは来たらダメってなジンクスがあります。「別れる所」で縁起が悪い、と(笑)。
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