「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2005 山梨(二日目)

翌日、赤石温泉に到着。

・・・・・・と、一言で書きましたが、道間違えてずいぶんタイムロスしてしまいました。

それにしてもコッテコテの民芸調の外観。
有名な混浴の露天風呂は、旅館から結構歩きます。

なお、本日の分も画像はかなり多めです。冗長な部分もあることをお許しください。
勝手に入る不届き者が多いせいでしょうか、物々しい扉がいくつもあります。
けっこう大ざっぱな作りの更衣室。
さっそく入湯。

先客が一組。なかなかきれいなオネーサンでしたがバスタオルでがっちりガード(笑)。
名前どおりの赤い湯です。

カップルが出て行ったのでタオルはゲットオフ。
しかし、いささか湯が熱い。
この巨大番傘は有名です。
入ると熱いし、出てると日焼けするし、と思案中。
後方から湯が注がれています。
頭上にはなんとモリアオガエルの卵が!

しかし、これでは孵化したとたん茹だってしまうのではないかと思われ!!・・・・・・アホな親を持って苦労するのは、カエルの世界でも同じです。
とにかく熱くて、ゆっくり入ってられません。
山梨では少ない濃い色の泉質の温泉でした。
効能書。
露天風呂の下にはプールがあります。
こういうノリの温泉宿で勘亭流はお約束。
トカゲ発見。
最後にもう一枚。

ここから櫛形山を巻くようにして延びる丸山林道をひた走り・・・・・・
・・・・・・いいかげん運転に飽きた頃、辿りついたのが、アルプス街道最奥の集落、奈良田。

対岸には南アルプスの険しい山が迫ります。
集落の上にある奈良田温泉に。

民間の旅館はお休みでした。
女帝の湯、と名づけられた平凡な日帰り温泉施設です。
泉質はアルカリが強く、とにかくヌルヌル。
家族は林道で振り回されてちょっと酔い気味で、休んでいました。
少し南下したところにある古い温泉場、西山温泉に到着。

「元湯 蓬莱館」に入ります。お猿があしらわれた温泉マークがかわいい。
宿は急な崖にへばりつくように建っています。
奥が明治6年に立てられたという旧舘。

長い年月を耐え抜いてきた独特の風格があります。
混浴の内湯。
入ってきました。

やはり上の子は行動迅速(笑)
木の湯船は3つに仕切られていて、一番広いここが一番ぬるくなっています。
家族全員で。
透明でアルカリの強いすべすべした湯です。
右側の湯が流れ込んでいるのが最も小さく、熱い湯。

しかし、熱いといっても、かなり泉温は低め。
ヒッツキ虫のような下の子。
温水プールのような感じなので、子供たちが遊び始めました。
ヨメは赤石で染まってしまったタオルを洗います。
しかし、この色ってなかなか落ちないもんです。
サッサと諦めて体を洗い始めました。
こんなとこまで撮るんかいな?と呆れています。

コンパクトデジカメにしてから、とにかく撮影枚数は激増しました。
セルフタイマーも使いやすいので、こーゆーショットも増える、と。
いいトシこいてねぇ(笑)。
自分は往年の面影がないほどゲキ太りしたのに、ダンスで鍛えてるせいかヨメは全く変わらない。
奥には廃業したよろず屋が見えます。

「為替」というのが看板に記されてあるところが、ここが湯治場であったことを物語ります。
上がっても上機嫌。

長い林道でウンザリしてたのも直りました。
かなりここは気に入ったとのコトです。
効能書は素っ気無いものです。
これは浴室前にあった石鹸入れ兼電話箱。

電話を木の箱に入れる、というのは初めてみました。
ウワワ!何やってんねん!?脚折れたらどないすんねん!?

・・・・・・と発見して叱ったのですが、とにかく一枚。
こちらにもまたがりたそうにしてましたが、止めました。
がらんとした卓球室。

湯治の年寄りがやるとは思えませんが(笑)。
旧舘の玄関前で。
こちらは新館の前で。
隣に見える「山本屋旅館」も好ましい佇まいですが、すべての窓にカーテンが下がり、廃業しているように見えました。
南下していく途中、新倉のフォッサマグナの露頭に立ち寄ります。

画面中央で斜めになっているのが断層面です。
下部温泉に到着。

朝、道を間違えたのが響いて遅い昼食となりました。奥では仲居さんらしきオバハン集団が歓談中。
下部温泉は古湯坊を考えていたのですが、時間が押してるのでパスして、少し南の湯沢温泉にやってきました。

新築間もないきれいな旅館がどーんと建っています。
その奥に、目指す宿の看板が見えました。
民家のような「長生館」の外観。
いい雰囲気で期待が持てます。
看板がいいですね。

民芸調の旅館にはちょっと隷書のセンスを見習って欲しい(笑)。
効能書がこれまたシブい。
先客の湯治のお年寄りが上がるのを待って、すぐさま行動開始。

ここは脱衣場も男女いっしょという、混浴でもきわめて古いスタイルを残しています。
何だかラブホ写真みたい(笑)。
中は小さな浴槽が3つ。右奥がかなりぬるめ、みんなが入っているのがぬるめ。

そしてこの画面には写っていませんが、しびれるほど冷たい源泉槽が左側にあります。つまりどれも泉温は低め。
細かいタイル張りは何だか昔の銭湯のようです。
窓の外は普通の庭。
ここもかなり気に入った模様。
ドアの向こうはボイラー室になっていました。
チョー機嫌よし。
カランからはほとんど湯が出ませんが、アバタもエクボでそれもまた古い鉱泉らしく感じられます。
さて、再び源泉槽にチャレンジ。

とにかく冷たいので、胸を押さえまくっています。
何とか成功。
それにしても何とも生活感あふれる浴室ですね。
最後にもう一度ぬくもって
上がります。
実に素晴らしい佇まいの鉱泉場でした。
休憩室は半分が物置になってしまってました。
壁にはなぜか「きんさん・ぎんさん」の手形が。
手前の旅館に道をふさがれたように建つこの「長生館」、何とかつぶれずに今の佇まいを残してくれることを願って止みません。

この後は国道52号を静岡まで下って、東名高速で戻りました。

それにしても、服を着てる画像の方が圧倒的に少ない今回の旅でした(笑)。
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